松下幸之助さんの無手勝流の活用法

谷口全平さんの『松下幸之助人生をひらく言葉』の著書の中にも、

松下幸之助が大阪船場の商家で丁稚奉公をしていた頃、仕事を終えたあとで店にある【講談本】を読むのが楽しみの一つでした。
と書いてあります。

この中に、<無手勝流> のことが書かれていて、講談本にある剣豪の塚原卜伝ことを読んで、松下幸之助さんは、これを経営に活かしています。

この塚原卜伝のお物語は、
乗り合い船で、塚原卜伝に因縁をつけてきた侍の丸山小源太が、いきなり斬りかかってこようとするのを、

『いやお相手はいたすが、ここは船中、大勢の人も乗り合わせている。人々に怪我をさせるのは気の毒である。おお、あそこに小島が見える、あの小島で二人だけ上がって勝負をいたそう』

『おおよく申した。これ船頭、おの小島に船をつけろ!』

その間に、十分に身支度をした小源太が、先に小島へと飛び降りると、
卜伝は、水棹を取り直し、水棹の先を島の岸へとあてがって、グイっと押したから、船はツツツと岸から離れる。

一人呆然としている小源太を見て卜伝が、

『貴様のような馬鹿侍を相手にするような愚か者ではない。ゆっくり一人で勝負でも、斬り合いでもしておれ。これが本当の無手勝流と申すものだ。ワハハハッ』

地団太を踏んで悔しがる小源太……

つまり、
無手勝流とは、【戦わずして勝つ方法】

これを経営に活用すると、
あまりお金や手をかけず、合理的、効率的に経営を行って成果をあげる。

松下さんが、『これこそ無手勝流。やり方はいくらでもあるもんだ』と言っております。

講談師 神田 山緑's Ownd

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