えんとつ町のプペルの講談化

キングコングの西野亮廣さん主催の天才万博に行って来ました~
すべて愛のある素晴らしいステージでした。
驚いたのが、西野さんが絵本を書いているので、子供がいっぱいいて、その子達がステージにあがって、見よう見まねで踊っている姿は、とても感動しました。

今回、西野さんにお会いして、
『えんとつ町のプペルの講談作ったので、やってもいいですか?』と聞くと、

『いいよ、是非やってください』と、許可も頂けました。

そして、えんとつ町のプペルの講談原稿も、直接お渡しできたのは、とても良かったです。

これから講談でどんどんやっていきます~
この流れをすべて作ってくれたのが、菊地 大樹くんです!大ちゃんに感謝!!

今年最後に、いいこと起こりました。
気分がいいので、えんとつ町のプペル講談少しアップしておきます~

【えんとつ町のプペル】
四千メートルの崖にかこまれたそとの世界を知らない町がありました。
町はえんとつだらけ。

そこかしこから煙があがり朝から晩までモックモク。えんとつの町に住むひとは、くろい煙にとじこめられて、あおい空を知りません。かがやく星をしりません。

さて、この町に、ルビッチという少年がおりました。この町でたったひとりの漁師のお父さんと明るくお母さんと三人で、貧しくとも楽しく毎日を過ごしていました。

ところが、大きな悲しい出来事がルビッチに襲い掛かりました。

ルビッチ「おーい、父ちゃーん。出てきておくれよぉー。父ちゃーん。母ちゃんと僕をおいていなくなるなんて、ひどいよ、父ちゃーんっ!!!」

大好きなお父さんが、冬の海に漁に出て波にのまれて死んでしまったのです! 

それだけでも辛い出来事でしたのに、見つかったのはボロボロに壊れた漁船だけで、お父さんの遺体は見つからなかったのでした。

ルビッチのお父さんのお葬式は、とてもとても淋しいお葬式でした。といいますのも、この町では、海には魔物がいると信じられていて、海に出ることを禁止されていたのです。

人々「海なんかに出て行くからだよ。だから言わんこっちゃない」

人々「死んだってしょうがないよ。自業自得だよ」

町の人々のひそひそ声は、お父さんの悪口ばかりです。ルビッチはお母さんの手をぎゅっと握り締めました。

母「ルビッチ、よく聞いて。あなたの父ちゃんはとても好奇心旺盛でいろんなことを知りたがった。なんでこの町は高い崖に囲まれているんだろう、なんでこの町にはえんとつがたくさんあるんだろう。なんでこの町の空は煙でおおわれているんだろう、ってね。海に魔物がいるなら見てみたい。魔物はなんで魔物なのか、魔物に話を聞いてみたいってね」

ルビッチ「でも母ちゃん、海に出るのは禁じられてたんでしょ?」

母「ルビッチ、そんな法律や決まりはどこにもないんだよ」

ルビッチ「ええっ! 母ちゃん、本当なの? でもみんな禁止されてるって……」

母「この町の人は、ここにいる限りは平和なんだよ。外に出ていかなければ、外のことを知ろうとしなければ、死ぬまで平和に生きていけるの。だから誰も外のことを知ろうとしないし、知ることを怖がってるんだって、父ちゃんが言ってた」

ルビッチ「父ちゃんが?」

母「そう。父ちゃんは、父ちゃんの父ちゃんから外の話をいっぱい聞いていたから、どうしても外がみたいって、あのオンボロの船で海に出ていってたの。ねえ、ルビッチ」

ルビッチのお母さんは、しゃがみこんでルビッチの顔をしっかり見つめていいました。
母「父ちゃんは町の人と違ってただけ。それがどうして悪いことなのかな? 母ちゃんは、そんな父ちゃんが大好きだったから、みんなから反対されたけど、父ちゃんと一緒になった。そして、ルビッチって宝物まで授かったんだ」

ルビッチは、うつむいてじっとしていましたが、やがて顔を上げて、涙をぬぐうとにっこり笑って言いました。

ルビッチ「母ちゃん。ぼくね、父ちゃんの分も働くよ」

お母さんは、ルビッチをまじまじと見つめました。小さいとばかり思っていたルビッチの言葉に、いままでこらえていた涙が溢れ出すのを止められませんでした。

ルビッチ「母ちゃん? 僕、何か母ちゃんを悲しませることいっちゃったかな? 母ちゃん、泣かないで。ねえ、母ちゃん!」

母「ありがと。ありがとう、ルビッチ。父ちゃんの代わりにルビッチが働いてくれるなんて、ああ、ルビッチは父ちゃんと母ちゃんの本当の宝物だ!」

ルビッチ「えへへ。あのね、僕ね、煙突掃除屋になるよ!」

こうして煙突掃除屋になっていく訳ですが、この続きは、にしのあきひろさんの傑作絵本「えんとつ町のプペル」をお読みくださいませ。

#西野亮廣 #えんとつ町のプペル #天才万博 #神田山緑 #講談 #えんとつ町のプペル講談

講談師 神田 山緑's Ownd

講談で世界をつなぐ‼

0コメント

  • 1000 / 1000